こんにちは。
今回は、スマホの維持費を月額1000円以下まで節約する方法と、必要な条件について考えてみたいと思います。
スマホを含む携帯料金が安く抑えられる主な理由は、
- 格安SIM(MVNO)
- 無料通話アプリ(LINE、Skypeなど)
それぞれが日常に浸透したためだと考えられます。
データ通信を安価な格安SIMで運用し、友人や家族など通話の大部分が、データ通信を用いた無料通話に置き換えられたことで、通常の音声通話(070,080,090)から発信する有料の音声通話をあまり使わない方は、一般にスマホを月1500~2000円で持てる時代です。
しかし、個人的には
「あまり(もしくは全く)使用しない音声通話の番号を維持する為の金額は、更に節約できるのではないか?」
と以前から考えておりました。
スマートフォンのアプリを使用すれば、音声通話回線を使用せず、データ通信で一般の電話との発信、着信が可能なIP電話(050番号)が無料で取得できます。各種会員登録にも使用できるため、日常的には、IP電話は音声通話回線の代用が可能だと思います。
この案はインターネット上でも度々議論されているのですが、結果的にIP電話のデメリットを解消できないため音声通話回線の番号を1つは持っておくべき、と言う結論が多いです。
確かに音声通話回線を持っていないと生活上支障が出る、と言う人がほとんどだと思いますが、本当に全く電話を使わない人であれば、このデメリットを解消してIP電話のみの運用が可能だと思います。
特に、
- 学生の方(特に、080などの音声通話をほぼ使用しない方)
- 携帯の番号が変わっても問題ない方
- スマホをこれから新しく始めようと思っている方
は、スマホ代を月1000円以下に抑えられる可能性もありますので、ご一読いただけると幸いです。
これからスマホを始めようと思っている方で、格安SIMについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
節約の動機
月1000円以下なんて、なんてドケチだと思われるかも知れませんが、その通りです。笑
ただ、今までは通常の格安SIMの契約だったのですが、更に安くできたら良いなと思うきっかけがありました。
きっかけはOffice 365
ついこの前、管理人の使用していたMicrosoft Officeがライセンス違反だということが発覚しました。念のためマイクロソフトにも問い合わせて、お咎めなしだったのですが、既存のライセンスは使用できなくなったので、新しくOfficeのライセンスを取得する必要がありました。
僕はあまり使用頻度が高いわけでもなく、趣味の範囲で使うことが多かったため、高額のOffice購入は戸惑いました。通常の永続ライセンスだと3万円以上、毎月支払いがあるOffice 365は月1274円と安価ながら、固定の出費が増えるのには少し抵抗がありました。
Skypeの無料通話が毎月60分使える
ただ、このOffice 365には、永続ライセンスには伴わない追加のサービスがいくつか存在します。そのうちの1つがSkypeの無料通話が毎月60分使えるという特典です。
スマートフォンからの通話発信は、楽天でんわなどのアプリを使用して節約しても10円/30秒なので、Office 365を導入するだけで1200円分以上は無料で話せるということになります。
IP電話とSkypeの2つで通話を行う
ほとんど音声通話を使用していない自分にとって、初めは不要な機能だと思っていたのですが、せっかくなので有効活用できないかと思いました。
音声通話は
- 友人、家族、知人には無料通話アプリ
- 通常の発信はSkypeの無料通話
- 着信用にIP電話(050番号)
を用いれば、音声通話回線を解約が行えます。
その代わりに、+αの値段でOfficeが契約でき、追加料金はほとんどなしで無料通話が行えるのでは?と思いました。
このように、付与されるSkypeの無料通話を上手に使えば、トータルでは安くOfficeを運用できるようになります。
Office 365を正しいライセンスで取得するためには、Amazonでの購入が最安値で購入できるためおススメです。
スマホ代を月1000円以下にする
では、実際にスマホ代を月1000円以下にする戦略を立ててみます。
外出先でもそれなりにスマートフォンが自由に使える、通信料1GB~3GBのプランについてシミュレートしています。
料金の内訳
データ通信専用SIMカードの契約の場合、どの会社の格安SIMを用いても、月3GBを上限とすると900円、SMS機能を付加するのには150円が掛かるのが一般的です。
よって、一般的な格安SIMでは、3GB+SMSの契約をすると、月1050円+税が相場となり、1000円以下に収めることが難しくなります。(それでも十分安いですね!)
極限まで安く抑えるために、ここでは以下のSIMカードを用います。
エキサイトモバイル
1GB~3GBの低通信量の契約の場合は、エキサイトモバイルがおススメです。通信速度の評判も良く、安価で維持できる格安SIMの1つです。
0GB | 500MB | 1GB | 2GB | 3GB | |
---|---|---|---|---|---|
従量課金制 (使った分だけ支払う) | 500円 | 630円 | 660円 | 770円 | 880円 |
定額制 (余った分は翌月まで繰り越し可) | 670円 | 770円 | 900円 |
※SMS機能を付ける場合、上記価格+140円
上がエキサイトモバイルの、データ専用SIMの価格表(税抜)です。
エキサイトモバイルは、従量課金制と定額制の2つのコースを設けています。どちらの価格も他の会社のSIMに比べやや安く契約できます。
従量課金制は、使った分だけお金を払っていくシステムです。使ったデータ量が少ない月は、それだけ安く済みます。そのため、余り通信を使用しない方や、使う量が月によって変わってくる方は従量課金制が適しています。
定額制は、月の上限のデータ使用量を定めて、毎月その金額を払うシステムです。例えば、3GBを選ぶと、900円+税を払って毎月3GBまで通信が可能です。一見すると、価格も定額制の方が高いため損に感じますが、定額制には「翌月まで通信量を繰り越せる」制度があります。すなわち、3GBの契約をして、全く通信を使わなかった月があると、翌月は3GBが繰り越され、最大6GBの通信が可能になります。毎月ある程度しっかりと決まった量の通信を行う方は定額制が適しています。
さらに、エキサイトモバイルは定期的にキャンペーンを行っているようで、2017年9月1日までの申し込みでキャッシュバックがつきます。データ専用SIMのみの契約でキャッシュバックを付けて貰えるのは珍しいです。長期にわたって安価にスマホを運用したい場合におススメです。
シミュレーション
では、エキサイトモバイルのSIMを利用して、月額料金をシミュレートしてみましょう。
先ほどの表を税込み価格に直し、データ通信専用SIMとデータ+SMS機能SIMの場合にわけて月額料金を計算しました。
0GB | 500MB | 1GB | 2GB | 3GB | ||
---|---|---|---|---|---|---|
従量課金制 (使った分だけ) | データ専用 | 540円 | 680円 | 713円 | 832円 | 950円 |
データ+SMS | 691円 | 832円 | 864円 | 983円 | 1091円 | |
定額制 (翌月まで繰り越し可) | データ専用 | 724円 | 832円 | 972円 | ||
データ+SMS | 875円 | 983円 | 1123円 |
従量課金制でも、定額制でも、月1000円以下で
- データ専用SIMなら3GBまで
- データ+SMSなら2GBまで
使用できます。
更に、従量課金制の場合は、通信の少ない月は料金が安くなるので、平均すると更に安くなることが予想されます。
イメージとして、SMSを付ける場合の平均を取ると、
- 月1GB以下→月850円
- 月2GB以下→月950円
- 月3GB以下→月1000円
でおおよそ利用できると考えられます。
キャッシュバックを含めると更にお得
2017年8月1日~9月1日の間の申し込みで、キャッシュバック が適用されます。
使用から13か月目に(約1年間の利用で)、
- データ専用SIM利用で7000円
- データ+SMS機能SIMの利用で10000円
- 音声通話SIMや端末購入の場合も10000円
のキャッシュバックが付きます。
ということは、最初の1年間に限り、初期費用(3240円)を含めても年間5000円前後で運用できるのでは?
データ専用やデータ+SMSの場合はいつでも解約できますし、音声通話も1年使えば解約が自由なので、これは試す価値ありですね。
IP電話の利用
通常の音声通話プランに加入すると、上記の価格に大よそ700円前後の価格がプラスされます。そのため、電話回線を使った電話番号(070、080、090)を持ちたい場合は、月1000円以下の実現は難しくなります。
ここでは、その代わりにIP電話(050から始まる番号)を利用して各種会員登録や発信に用いる方法を考えます。
IP電話とは?
IP電話とは、電話回線を用いず、データ通信を使用して一般の電話との発信着信が可能な電話です。一般の固定電話や携帯電話への発信は有料ですが、IP電話同士の通話は無料の場合が多いです。
LINEなどの無料通話アプリも広く言えばIP電話ですが、ここでは自分のメイン番号として050番号を取得するタイプのIP電話について考えます。
IP電話のメリット
- 通話料が一般の音声通話より安い
- 維持費が無料または安価
- 複数端末で使用できる
IP電話の一番のメリットは安価で運用できる点です。通話料も安いので、音声通話機能を持ちながらも発信はIP電話で行っている人もいます。
また、SIMカードではなくSIPアカウントに番号が割り当てられているので、特定の端末で使用する必要はありません。音質の良いアプリで使用することもできますし、複数のスマホで着信を受けることもできます。パソコンや専用の電話機で設定を行えば固定回線のような使い方も可能です。
IP電話のデメリット
- 音声品質や着信が不安定
- ナビダイヤルやフリーダイヤルへの発信ができない
- 緊急通報ができない
- クレジットカードの登録が必要
どれも、電話をさほど使わない方にとっては、大きな問題ではないように思えます。なので、これらを気にしない方であれば、データ+SMSのSIMカードを用いて、LINEとSkypeとIP電話を併用すれば快適なスマホライフが送れます。
ただ、月に1度の発信がナビダイヤルで困ることもありますし、緊急通報ができないというのは少し怖いです。せめて110番や119番は出来るようにしておきたいですね。
主要なIP電話アプリ
スマートフォンで使用できるIP電話は、こちらで解説がなされています。よく電話を掛ける人も含めて幅広いアプリを紹介して頂いているので、凄く参考になります。
当ブログでは、その中でもおススメのIP電話アプリを示しておきます。
ブラステル(050 Free)
基本料無料のIP電話の中では最も安く発信できるIP電話です。固定電話には8円/3分、携帯電話に5.5円/30秒(いずれも税抜)なので、特別な長電話をしなければ大きな出費にはなりません。月額料が300円程度掛かるIP電話もありますが、ブラステルなら、300円あれば固定電話宛に100分以上の通話が可能です。電話をよく掛ける人も掛けない人も重宝するアプリです。
通常はクレジットカードで使用しますが、ブラステルはコンビニからのチャージも可能なようです。
SMARTalk(FUSION IP-Phone SMART)
こちらも基本料無料で使用できます。通話料はブラステルよりも高いため発信には不向きですが、留守番電話機能が無料で使用できるため、着信時の番号として便利です。会員登録を行う際や連絡先番号として利用するのが良いかもしれません。登録時に100円の無料通話がついているのも嬉しいです。
ブラステル、SMARTalk共に、1年間発信(支払い)が行われない場合は自動解約しますが、定期的に発信に使用すれば長期間メインの番号として保持することができます。
IP電話のデメリットを解消する方法
IP電話をメインの電話番号にする際に障壁となるのが、先ほどお伝えしたIP電話のデメリットです。完全に解消するという訳にはいきませんが、生活を送るうえで支障が出ないレベルにすることは可能です。
通話品質を上げる
IP電話を、そのまま運営会社のアプリを用いて使用すると、着信に反応しなかったり、通話品質が良くないという評判です(あくまで僕が口コミを調べた結果です)。
これはIP電話の特性上ある程度は止むをえない部分なのですが、
Zoiperというソフトフォンを用いてIP電話の発着信を行うと、ブラステルもSmartalkも通話品質が向上し、着信にも反応するようになる、という意見をよく目にします。
僕もこれから試すつもりですが、このアプリを使用することで、日常に支障のないレベルまで通話品質を上げることができるのではないでしょうか。
Zoiperにブラステル、Smartalkで作成したSIPアカウントを登録することで使用が可能になります。手順についてはこちらのサイトで詳しく紹介されています。
ナビダイヤルやフリーダイヤルへの発信方法
IP電話からナビダイヤルやフリーダイヤルへの発信は基本的にはできない場合が多いです。しかし、このような問合せをする際には、ナビダイヤルやフリーダイヤルに掛けられない人の為に、固定電話の番号が併記してあることがほとんどです。
ナビダイヤルの場合
ナビダイヤルの場合はどちらにしろ有料ですから、併記された固定電話があればそちらに掛けるのが最善でしょう。むしろ固定電話宛の方が安く済む場合が多いです。
フリーダイヤルの場合
では、フリーダイヤルの場合はどうでしょうか。
一部のフリーダイヤルはIP電話からの着信を許可しているようなので、まずはフリーダイヤルに発信してみることをお勧めします。繋がらないようでしたら、有料になりますが、固定電話への発信をしましょう。ブラステルなら8円/3分ですので、そこまで大きな出費にはなりません。
頻繁に掛ける方向けの050 Plus
ただ、フリーダイヤルに頻繁に掛ける機会があり、どうしても無料で掛けたい場合は、NTTコミュニケーションズの050 Plusを利用するのが良いでしょう。
ナビダイヤルやフリーダイヤルの多くはNTTコミュニケーションズが提供しているため、同じくNTTコミュニケーションズ提供のIP電話050 Plusからは発信できる場合が多いとのこと。フリーダイヤルはもちろん、NTT提供のナビダイヤル宛は無料で掛けられるようです。
しかし、050 Plusを単独で使用する場合は、月額料324円が掛かりますし、全てのナビダイヤル、フリーダイヤルに掛けられるわけではないため、毎月頻繁に問合せ等をしない場合は、ブラステルで発信を行えば十分だと思います。
緊急通報を行えるようにする
IP電話の番号から、110、119番通報を行うことは不可能です。そのため、緊急通報に代わる代替手段を設ける必要があります。
緊急通報ナビを使う
1つ目は、緊急通報ナビというアプリをダウンロードして、緊急時に最寄りの警察署に電話を掛けられるようにするという手です。
ただ、一般的には緊急時には110、119番通報をするため、どの程度迅速な行動につながるかは不明です。もちろん、知らないままに越したことはありませんが……。
基本料無料のSIMカードを準備する
緊急通報をする際は通話料は掛かりませんから(そんな時まで金のことを考えていては本当はいけませんが)、
基本料無料のSIMカードをスマホにセットしておけば、緊急時のみ使えるSIMとして使えるわけです。
モベルのSIMカード
国内で一般的に使われているSIMは基本料無料のものはまずないでしょう。しかし、こちらの記事で凄く画期的な案が提案されておりました。
日本人向けに海外で利用できるSIMカードを扱っているモベルの音声通話+SMS機能付きSIM(モベルのワールドSIM)は、データ通信機能が無く、初期費用1998円を支払えば、基本料は無料で使用できます。
付与されるのはイギリスの電話番号のため、国内通話を利用すると高額になるようですが、緊急通報には使用できるようです。
注意すべき点は、日本とは違い、112をダイヤルしたのちに、110、119通報する必要がある点です。その点以外は一般電話からの緊急通報と同様に行えます。
また、発信テスト用の番号も設けているので、SIMカードが手元に届いた際に無料で発信テストをして、緊急時に備えることができます。
もちろん、海外に旅行に行った際は、海外から日本国内へ安価に発信できる国際電話機として使用できます。
デュアルSIMスマホを使う
モベルのSIMカードは、一般的なDocomo系のSIMカードが使えるSIMフリー機であれば使用可能と考えられます。
- データとSMS用のSIM
- モベルの緊急通報用のSIM
を1つのスマホで使いこなすためには、デュアルSIM対応のSIMフリー端末がおススメです。2枚のSIMを挿し込み使用することができます。
緊急通報を目的とするなら、デュアルSIMスマホは、片方のSIMカードでデータ通信をしている際にもう片方のSIMカードは使用できないシングルスタンバイの仕様でも問題ありません。緊急通報時のみ
SIMを切り替えて通報できればよいということです。
国内に流通しているスマホは、デュアルスタンバイ(双方の通信を自動で切り替えられる)タイプのものが増えていますが、安く済ませたいのであれば、旧モデルのZenfone 2 Laserがおススメです。
以前は上記のZenfone 2 Laserを手ごろなデュアルSIM機として紹介しておりました。ただ、問題点として、「旧モデルであり今後のアップデート更新が未知」、「シングルスタンバイ端末の場合、SIM切り替えに20~30秒かかるため緊急通報には不向き」などの問題があり、緊急通報や節約の側面から見ても最適ではありません。最近、コスパが良い端末の1つにg07がありますが、こちらはZenfone 2とは違い、2枚のSIMカードの同時待ち受けに対応したデュアルスタンバイ(DSDS)端末であるため、【データ+SMS用SIM】と【モベルのワールドSIM】の兼用でも緊急通報が問題なく行えます。また、価格帯も2万円弱で購入でき、2017年発売の新しい端末なので、g07は月1000円以下に抑える節約法に適した端末としてお勧めできます。
デュアルSIMアダプタを使う
既にシングルSIMタイプ(SIMは1枚しか入れられないタイプ)のスマートフォンを使用している場合でも、デュアルSIMアダプタを使用すれば、2枚のSIMを挿し込み使用することができます。ただ、これはスマホの形状によっては不可能な場合もあるので、「奥の手」かもしれません。インターネットで検索して、デュアルSIMアダプタを使用しての動作が確認されている端末なら、やってみる価値はあります。
クレジットカードなしで使えるIP電話
スマートフォンのサービスの多くはクレジットカードで決済をするのが一番便利だと思いますが、審査が通らず使用できない場合もあると思います。
ブラステルはコンビニからチャージを行うことで使用ができるため、クレジットカードが使えない場合でも、発信も着信もブラステルを使って行うことができます。
エキサイトモバイルもクレジットカードが無いと契約ができませんが、その場合はクレジットカード無しでも使用できる格安SIMが検討できます。価格とサポートの面でいえば、BIGLOBE SIM がおススメです。
まとめ
月1000円以下でスマホを運用する為には、スマホの使用形態が影響するため、誰しも達成できる節約方法ではありません。しかし、この記事の中に取り入れられそうな方法があり、読んでいただいた方のスマホ運用に少しでも効果が現れてくれたら幸いです。