パンやケーキ等加工食品のトランス脂肪酸フリー(ゼロ)含有量の表示はアテにならない気がする

こんにちは。

1年前に視力回復と体調改善に取り組み始めてから、20kgほどの減量に成功しました。

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まあここまでは良かったのですが、痩せすぎると身内などから心配されて余計に食わされる懸念もあります。

体重は現在横ばい状態でこれ以上減少する心配はあまりないのですが、油については少し不足しているため、身体に合った適切な油を取らなければと思っているところです。

油を摂る上で1つ注意しなければいけないのが「トランス脂肪酸」です。心疾患及び生活習慣病のリスクを増大させるとされています。となると、食品製造者としてもトランス脂肪酸フリーと銘打った商品を売り出せば、消費者の食いつきも良く売り上げも上昇するかもしれません。

ただ、個人の感想ではありますが、加工食品に関して言えばこのトランス脂肪酸フリーという表記はアテにならないと感じたので、一応記事をまとめておきます。

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Contents

食品にトランス脂肪酸が含まれる経緯

食品中にどのような経緯でトランス脂肪酸が含有するかについては、下記農林水産省のページに詳細の記載があります。

ざっくりまとめると、

  • 牛や羊など動物性の肉や乳製品、加工食品にはトランス脂肪酸が一部含まれる
  • 自然の植物に含まれるトランス脂肪酸は無視できるレベルであるが、精製や抽出段階で不飽和脂肪酸の一部がトランス脂肪酸に変化するため、問題視されている

という内容になります。

動物性食品に含まれる自然由来のトランス脂肪酸

動物性食品や油脂にはトランス脂肪酸が一定量含まれていますが、人間の生体に対しての悪影響が正確に実証されていないようで、それほど問題視されていません。

ただ、トランス脂肪酸は敢えて摂取する必要は全くないものであり、大きく区別されていない植物油脂に含まれるトランス脂肪酸の悪影響はある程度立証されていますので、動物性油脂のトランス脂肪酸も同じように避けたほうが良いと思います。

また、動物性油脂はトランス脂肪酸の問題よりも身体に脂肪として溜まりやすい飽和脂肪酸の方が問題視されていますね。トランス脂肪酸が大丈夫だからといって積極的かつ多量に摂取するものではありません。

植物性油脂に含まれる工業由来のトランス脂肪酸

広く問題視されているのは、植物性油を抽出、精製される段階で生じてしまうトランス脂肪酸です。

特に、水素添加を行い保存性の向上や融点の上昇を行っているマーガリンやショートニングにはトランス脂肪酸が多く含まれていると言われています。原料から植物油を抽出する際に化学溶剤を使用する際にもトランス脂肪酸が発生します。

水素添加は保存性に難のある植物油の使い勝手を良くしますし、化学溶剤による抽出は物理的に圧搾する方法よりも無駄なく油を抽出できる方法です。しかし、化学的に手を加えることで意図せぬ物質であるトランス脂肪酸が生成してしまうのは避けられないことです。

日常的な加熱処理(特に電子レンジ)によって発生するトランス脂肪酸

また、出荷段階ではトランス脂肪酸の少ない油脂を購入したとしても、日常の取り扱い環境によってトランス脂肪酸が発生するようです。

特に、電子レンジでのマイクロ波照射によってトランス脂肪酸量が増加するという文献があるようで、電子レンジでの加熱処理には注意が必要です。動物性油脂、植物性油脂(不飽和脂肪酸)双方の記述があり、以下のページが参考になります。

ご存知ですか!! 電子レンジのマイクロ波の弊害-メタボレスクッキング

危険な電子レンジは磁性鍋で安全に!-オルター

トランス脂肪酸の摂取量を減らす工夫をする必要がある

トランス脂肪酸について、化学的な性質、含有している食品等突き詰めていくと深い話になりますし、それこそ文献を直接当たったり実験を繰り返さないと真実に辿り着かない側面があります。また、有害とわかっていてもトランス脂肪酸を食生活から全く排除することはできません。

僕たち消費者の立場として自身の健康のためにできることは、トランス脂肪酸の摂取量を減らすよう食品の選択と管理を行うことです。

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トランス脂肪酸の摂取制限値の基準-どの程度摂らないように気を付ければいいか?

トランス脂肪酸はできる限り摂らないに越したことはありませんが、一般的な食生活を行う上で摂取量を全くゼロにすることはできません。

健康への影響を最低限に抑えるためには、どの程度摂取をしないよう気を付け、どの程度の量まで抑えることが望ましいのでしょうか?

問題となったアメリカの食生活や摂取量との比較が必要である

そもそも、トランス脂肪酸が問題視されているのは、アメリカの食生活におけるトランス脂肪酸摂取量が大きいことで、心疾患に影響していることが始まりです。また、それを踏まえてWHO(世界保健機関)がトランス脂肪酸を規制している現状です。

そのため、トランス脂肪酸摂取量の基準を考える場合は、

  • アメリカで問題となっている摂取量
  • WHOが目標としている制限値

と、実際に我々が国内で加工食品として摂取している値の比較が必要となります。

さて、アメリカはなぜ、PHOs禁止を決めたのでしょうか。それは、アメリカ人の心臓疾患が深刻だからです。年間に約61万人が心臓疾患で死亡し、死因の1位。心臓疾患もさまざまあり、先天性のものや心筋症、心臓弁膜症など器質的な疾患もありますが、37万人は冠動脈疾患、つまり心筋への血液の流れが止まってしまう病気により死亡していると考えられています。

(中略)

FDAの資料によれば、2003年の時点で平均的な成人のPHOsからのトランス脂肪酸摂取量は4.6g/日で、1日に2000カロリーを摂取しているとするとそこに占める割合は2.0%に上っていました。マーガリンやパン、菓子等に多く含まれていました。

(中略)

乳製品や植物油等として食べる量も含めると、1日のトランス脂肪酸トータルの摂取量は5.8g、エネルギー摂取量の2.6%でした。

WHOの勧告目標は、総エネルギー摂取量の1%未満。これは、天然由来、PHOsなど工業由来、両方を合わせての目標です。1%未満であるべきなのに、国民平均が2.6%なのですから、アメリカ人の摂取量が、2003年の時点で非常に多かったことがわかります。

(引用元 米国のトランス脂肪酸“禁止” 日本が振り回される必要はない)

上記情報によると

  • 問題となっていたアメリカ人のトランス脂肪酸摂取量は5.8g/日
  • うち、マーガリンやパン、菓子などの特に問題視される加工食品からのトランス脂肪酸摂取量は4.6g/日
  • WHOのトランス脂肪酸制限の目標値は総エネルギー摂取量の1%未満

となります。

(引用中にあるPHOsとは部分水素付加された油脂ですので、マーガリンやショートニングがその代表です。)

また、この記述のなかで気を付けなければいけないのが、「総エネルギー摂取量」です。この実際の値は人々の生活スタイル、体格等によって異なりますし、適正値も異なります。

以降、簡略化のため「総エネルギー摂取量に対するトランス脂肪酸摂取量」をトランス脂肪酸エネルギー比(もしくはエネルギー比)として表記します。

上記引用は、成人の1日の平均摂取カロリーを2000kcalとしてPHOs由来のトランス脂肪酸エネルギー比を2.0%と計算しています。しかし、アメリカ人の平均摂取カロリーが2000kcalで済む訳が無い!と考えられるわけです。日本人よりも遥かに肥満体の方が多いアメリカ人の平均摂取カロリーは、約3500kcalと見積もったほうが良いでしょう。
(参考 アメリカ人に肥満が多い明確な理由)

となると、PHOs由来のトランス脂肪酸エネルギー比は、油脂のカロリーを9kcal/gとすると、(9kcal/g×4.6g)/(3500kcal)×100=1.2%となります。もちろん、トランス脂肪酸の絶対的な摂取量が懸念されるのは明らかですが、絶対量ではなくエネルギー比で考えると、2%はアメリカ人を遥かに超える摂取量になってしまいます。

日本人のライフスタイルを考えれば、引用にもあるようにWHOの基準値である「エネルギー比1%未満」をトランス脂肪酸摂取量の上限摂取ラインとすることが、健康を重視する上で望ましいのではないでしょうか。この場合、日本人の平均摂取カロリーを2700kcalとすると、1日のトランス脂肪酸摂取量は計算上3gとなり、低カロリーな食事をしている方も含めて、目標摂取制限値は2gとされているようです。

現状の日本人の生活習慣では摂取制限目標値を大きく下回っているのですが、今後食生活が変化し油脂の摂取量が更に多くなる傾向も考えられますので、摂取量や含有量を意識することは大切なことです。

トランス脂肪酸は脂質なので、油脂に含まれるトランス脂肪酸を考える必要がある

トランス脂肪酸は脂質ですから、米や小麦などの炭水化物を主成分とする食品などからの摂取はあまり問題ではありません。トランス脂肪酸の大部分は、植物性油脂や動物性油脂、食用肉に含まれるため、トランス脂肪酸摂取量を減らすためには、食用油や加工食品中の脂質に含まれるトランス脂肪酸量を考える必要があります

以降、簡略化のため「食品中に含まれる脂質摂取量に対するトランス脂肪酸摂取量」をトランス脂肪酸脂質比(もしくは脂質比)として表記します。

また、マーガリンなどの加工油脂についても、含まれる成分の大部分が脂質であるため、全体量に占めるトランス脂肪酸量を「トランス脂肪酸脂質比」として表記します。

総エネルギー摂取量の中には当然炭水化物やたんぱく質のエネルギーも含まれますが、その中に占める脂質の量は食生活によって異なります。揚げ物や炒め物が好きな方は脂質によるエネルギー摂取量が増えますので、トランス脂肪酸エネルギー比も増えます。また、トランス脂肪酸を沢山摂ったらその分炭水化物やたんぱく質を摂ってエネルギー比を減らせばいいという訳ではありません(これは単にバランスの悪い食事です)。

要は、トランス脂肪酸脂質比もエネルギー比と同様に低く抑えるよう観察をする必要があるということです。

基準となる「トランス脂肪酸の多い油脂」

では、トランス脂肪酸を摂りすぎているかどうかを判断する指標となる「トランス脂肪酸の多い油脂」(トランス脂肪酸脂質比の高い油脂)についてですが、

脂質の中でもトランス脂肪酸含有量が指摘されているのは「キャノーラ油」や「マーガリン」に代表される植物性油脂になります。

キャノーラ油のような常温で液体の油についても、保存性向上や脱臭目的で高温処理を行う際にトランス脂肪酸が発生します。マーガリンは前述の部分水素添加物(PHOs)として問題になっています。

加工食品中のトランス脂肪酸脂質比を考える際にもこの基準を利用して、加工食品中の油脂に含まれる脂質比を、一般的なキャノーラ油やマーガリンの脂質比と比較して考えるのが良いと思います。

キャノーラ油やマーガリンに比べて、十分に脂質比が少ない油が使用されていれば、少なくともトランス脂肪酸についての問題は心配しなくて良いと言えるでしょう。

キャノーラ油やマーガリンのトランス脂肪酸脂質比は?

市販に流通している、キャノーラ油やマーガリンのトランス脂肪酸脂質比はどの程度なのか?についてネット上の情報を基に見ていきましょう。

キャノーラ油のトランス脂肪酸脂質比

日清オイリオのHPにはキャノーラ油含め主な製品のトランス脂肪酸含有量が示されており、キャノーラ油やサラダ油については1.5%と書かれています。

しかし、その他のメーカーでは明確に含有量を示したページが無いのが現状です。(後述のように、日本ではトランス脂肪酸含有量の明示が義務化されていないため)

また、トランス脂肪酸の問題のほかに、キャノーラ油やサラダ油には遺伝子組み換え不分別の原料を使用しているという懸念があります。

(参考 日清オイリオ AJINOMOTO)

マーガリンのトランス脂肪酸脂質比

マーガリンではもっとトランス脂肪酸脂質比は高くなります。元々常温で液体の植物油を無理やり固化させているのですから止むを得ません。

食品安全委員会の資料には、市販品のマーガリンに含まれるトランス脂肪酸脂質比の平均値は5.5%と記載があります。(現在は減少傾向にあるとのこと)

また、市販品のマーガリン、ファストスプレッドの中には低トランス脂肪酸の商品も多く販売されています。(参考ページ 危険なトランス脂肪酸、含有量ワースト5のマーガリン!雪印、イオン…セブンは開示拒否) この記事にはトランス脂肪酸脂質比が1%未満のマーガリンも多数販売されていることを示しています。

しかし、このようなトランス脂肪酸脂質比の少ないマーガリンには当然罠があるようで、ここれも遺伝子組み換え原料が使われているようですね。マーガリン中のトランス脂肪酸については以下ページが参考になります。

マーガリンにはトランス脂肪酸以外にも健康への懸念材料が多数あることがわかります。

当ページではマーガリンのトランス脂肪酸脂質比を約5.5gとして話を進めていきます。

加工食品や油脂のトランス脂肪酸量をチェックする際のポイントについてまとめると

上記内容を踏まえて、加工食品や市販の油脂(動物性、植物性問わず)中に含まれるトランス脂肪酸量をチェックする際の基準についてまとめると、

  1. アメリカの生活水準で問題になったトランス脂肪酸エネルギー比は1.2%
  2. WHOの目標摂取制限エネルギー比は1%
  3. 日本人の総エネルギー摂取量を考えると、1日のトランス脂肪酸摂取量を2g以下に抑えることが望ましい
  4. トランス脂肪酸含有量が多いと言われているキャノーラ油の脂質比は1.5%、マーガリンは5.5%となり、油脂や食品中の脂質を見る際の基準になる

※もちろん油を選ぶ際では原料(遺伝子組み換え問題)、抽出法(化学溶剤)、酸化対策など考慮すべき問題が多数あるようですがここでは省略します。

「トランス脂肪酸0g」は本当に0gなのか?

ようやく、日本国内の加工食品での表記「トランス脂肪酸0g」について触れていきます。前置き非常に長かった(笑)

しかし、この「トランス脂肪酸0g」の表記の信憑性を考察するには、日本国内で流通する食品のトランス脂肪酸含有量表記のルールについて簡単に把握をしておく必要があります。ということで、もう少し前置きですが(笑)、お付き合いください。

日本国内で流通する加工食品中のトランス脂肪酸含有量表記のルール

トランス脂肪酸の表記について把握しておくべき主なポイントは以下の3点です。

  1. トランス脂肪酸含有量の表記は義務ではなく任意である
  2. 食品100g当たりのトランス脂肪酸含有量が0.3g未満の場合は「トランス脂肪酸0g」の表記が可能である
  3. トランス脂肪酸含有量表記の誤差は+20%まで認められる

その他細かい指針については下記消費者庁の資料をご覧ください。

トランス脂肪酸の情報開示に関する指針について

表示は義務ではなく任意である

これは重要なポイントですね。トランス脂肪酸が多量に含まれていたとしてもそれを表記しないことが可能です。成分表にトランス脂肪酸含有量の記載のない加工食品(特にマーガリン等使用されているもの)は注意したほうが良いでしょう。その点、明確に表記された商品の方が、トランス脂肪酸が含まれていたとしても信憑性が高い商品と言えそうです。

食品100g当たりの含有量が0.3g未満の場合は「0g」と表記できる

まず「食品100g当たり(総重量比)」というのが引っかかります。

前述のように、WHOの目標制限値は「総エネルギー摂取量に対するトランス脂肪酸摂取量(エネルギー比)」ですから、比べる基準が異なります。

食品100gとはすなわち、カロリーの少ない食物繊維や、糖質やたんぱく質など脂質とは異なる成分も含めた100gになります。また、食品成分の中では脂質が最も単位量当たりのカロリーが高いので、「総エネルギー消費量中の0.3%」よりも「食品100g当たりの含有量0.3g」の方が「0g」と表記しごまかせる範囲が広がってしまうということです。

例を挙げてみます。すべて脂質の食品は総エネルギー900kcal/100g→0.3%は2.7kcal,0.3gです。脂質比=エネルギー比=重量比となります。
一方、糖質と脂質が等量含まれた食品100gを考える場合、
脂質比0.3%=50g×0.3×0.01=0.15g
また、総エネルギー量650kcalの0.3%は1.95kcalですので、脂質の量に直すとエネルギー比は0.22gになります。
一方、「食品100g当たりの含有量0.3g(重量比)」は当然0.3gです。糖質など他の成分が増えるほど、脂質比やエネルギー比よりも重量比の値が大きくなりますので、その分0gと表記しごまかせる量も増えるわけです。

表記量は+20%まで誤差が認められる

次に、トランス脂肪酸の表記は+20%まで誤差が認められています。ルール2と合わせるとトランス脂肪酸含有量が100g当たり0.36gを上限として、「トランス脂肪酸0g」と表記できることになります。

この値は実はかなり多いのでは?ということを、実際の加工食品を用いて考えてみます。

「トランス脂肪酸0g」の加工食品に含まれているかもしれないトランス脂肪酸量は?

ようやく実際の加工食品の話に移ります。

「0g」の表記があっても、実際は100g当たり0.36gまでトランス脂肪酸が含まれている可能性があるという説明をしました。

では、「トランス脂肪酸0g」表記のある加工食品に含まれている可能性のあるトランス脂肪酸は、脂質比でいうとどの程度の量になるのでしょうか?

脂質比は、優良な油で0.7%程度、一般的なキャノーラ油で1.5%程度

安全な油脂かどうかの判断はトランス脂肪酸含有量だけで行うことはできません。別の危険な副生成物が多量に発生する化学的処理を行っていたり、遺伝子組み換え原料を使用していた場合は別のリスクが生じるためです。

ただ、ここではトランス脂肪酸含有量に絞って話を進めます。

抽出法や原料にこだわった優良な油であってもトランス脂肪酸脂質比が0.7~1.0%ほど含まれているようです。

例えば、化学抽出を行わない天然圧搾の大豆油として、ジュンコオイルが紹介されておりましたが、成分表にはトランス脂肪酸が14g(大さじ1杯)あたり0.1g含まれていると記載があります。

0.1gでもトランス脂肪酸が含まれていると、「0gじゃないじゃん!」となるかもしれませんが、単純に油100g当たりの重量比(脂質比)に直すと約0.71%です。+20の誤差を考慮しても約0.86%となります。

また、脱臭工程の温度を工夫してトランス脂肪酸を抑えている生活クラブのなたね油は脂質比0.7%、エステル交換による加工油脂を用いたマーガリンは脂質比0.9%と公表しています。

生活クラブの食の安全への取り組み。生協の食材宅配「生活クラブ」なら安心・安全な食材を配達いたします。

※エステル交換で生成した油脂の安全性についてはまだ検証段階のようです。

精製過程に気を配っている油脂でもおおよそ0.7~1.0%のトランス脂肪酸が使用されているため、日常使用の油脂としても脂質比1.0%の油脂を選択できれば望ましいということになります。

また、先ほど示した日清オイリオのキャノーラ油は脂質比1.5%でありこれは少々高い値ですが、それでも平均的なマーガリンの脂質比5.5%に比べると極端に高い値ではないということがわかります。

「トランス脂肪酸0g」表記の加工食品(食パン)のトランス脂肪酸脂質比は?

では、この脂質比0.7~1.0%を基準にして、加工食品のトランス脂肪酸脂質比を見てみましょう。トランス脂肪酸を1.0%以下に抑えた油脂でも、包み隠さず脂質比を公開しているのですから、「0g」表記を行っている加工食品にはもっと低い値を期待したいものですが……。

ここでは、「フジパン 本仕込み 6枚切」を例に考えてみます。

バターもマーガリンもショートニングも使用されていて「トランス脂肪酸0g」?

食パンは最近全くと言っていいほど食べてませんが、本仕込みはおいしいですよね。パン食中心の生活だったらメインに据えてたかもしれません。

話を成分に戻します。以下がフジパン 本仕込みの製品ページで、成分表と原材料も記載があります。

フジパン公式サイト、新商品、「本仕込」食パン、「ネオバターロール」、人気の菓子パンなどをご紹介しています。

6枚切りの項を見ると、製品1枚当たり

  • エネルギー 168kcal
  • 脂質1.9g
  • トランス脂肪酸0g

とあります。「トランス脂肪酸0g」表記の加工食品です。

しかし、前述のように、重量比で100g当たり0.3gのトランス脂肪酸までは0gと表記して良いことになっています。

また、原材料を見ると「バター入りマーガリン」「ショートニング」と記載がありますので、トランス脂肪酸フリーの食品とは考えにくいです。

実際に脂質比を計算してみると……?

ではこの食パンにはどの程度トランス脂肪酸が含まれている可能性があるのか?計算してみましょう。

6枚切りの食パン1枚の重量は約64gでした。(実際に測ってみました)

よって、パン100g当たりに含まれる脂質は1.9×(100/64)=2.97gです。

このうち、最大0.32gまでトランス脂肪酸が含まれていても、0gと表記しても良いことになります。

これを脂質比に直すと、約10.8%となります。

トランス脂肪酸脂質比10%程度の油脂が使われていてもおかしくないということになります!これは平均的なマーガリンのトランス脂肪酸脂質比を大きく上回る可能性もあるということです。

たとえ「0g」でも、多量摂取には気を付けなければいけない

仮に上限値(100g当たり0.3g)のトランス脂肪酸が含まれていたとして、6枚切りの食パン全て(1斤)を食べつくしたとしても、摂取するトランス脂肪酸量は約1.2gですので、そこまで多量ではありません。パン好きの人であれば食べるかもしれませんが……

ただ、これが菓子パンやケーキやお菓子であったら、食パン以上に食べてしまう人も多いのではないでしょうか?加えて、揚げ物やお惣菜に含まれるトランス脂肪酸も考えると……決して「トランス脂肪酸0g」の食パンに含まれるトランス脂肪酸は無視できる量ではないということになります。

トランス脂肪酸摂取量を控えるには

このように、「トランス脂肪酸0g」と表記された加工食品からも、知らず知らずのうちにトランス脂肪酸を摂取している恐れがあるということは意識しておくべきでしょう。

かと言って、食パンや菓子パンなどの加工食品を疑って一切食べない!というのは余程のことがないと難しいですので、余分な摂取を避けるためにできることを簡単にまとめてみましょう。

パン食の場合はマーガリンやバターの上塗りを減らす

パンを製造する上で使用するバターやマーガリン、ショートニングは避けようと思ってもなかなか難しいものです。

一方で、食べる際に上塗りするマーガリンやバターの量は減らすことができます。

ガッツリマーガリンを塗って食パンを食べている場合は見直す必要があるかもしれません。

パンやケーキなどの加工食品、冷凍食品、レトルト食品、お弁当やお惣菜の摂取量を抑える

トランス脂肪酸を摂取しやすいルートとしては

  • パンやケーキなどに含まれるマーガリン、ショートニング
  • カレーや冷凍食品、レトルトなどに含まれる植物油脂
  • お弁当やお惣菜などの油脂

がメインだと思います。

例えばパンを一切やめてしまったとしても、その分他の食品を過食してしまってはあまり意味がありません。

パンやケーキをよく食べた日は他の食材を工夫してレトルトやお弁当は止めてみる、などのバランスが大切になります。

調理用の油をトランス脂肪酸の少ないものに変える

自宅で使用する油を考えるのは簡単ではないのですが、

  • 化学溶剤を使わず圧搾抽出している
  • 遺伝子組み換え原料をしようしていない

油を意識して選択するだけでも油の安全性は高まると思います。

先ほど話に挙がったベジタブルジュンコオイルや

圧搾抽出された国産の菜種油などであればトランス脂肪酸のリスクは小さくなると思われます。

正しい情報を取り入れるのは非常に難しいこともありますが、身体によくないと感じるものを1つ1つ替えていくことが自分の身体には大切なことなのかなと感じています。

まとめ

トランス脂肪酸について得られた情報を可能な限りまとめてみました。

特に加工食品に関しては、マーガリンやバター、ショートニングを使った食品の多くは「トランス脂肪酸0g」表記の有無に関わらずトランス脂肪酸が無視できないレベルで含まれる食品だと思っておいたほうが良いです。

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